昨日のしんぶん赤旗「日刊紙」の「主張」は「イージス・アショア」を取り上げていました。
注目すべきは、昨年5月、米国のシンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)が発表した「太平洋の盾 巨大なイージス艦としての日本」と題する論文から日本に「イージス・アショア」を配備しようとする米国の狙いが詳細に紹介されていることです。
日本共産党理論政治誌「前衛」9月号で、党中央政策委員会の山根隆志さんが、この論文を取り上げいくつかの指摘をしています。
今回の「主張」での指摘は、山根さんの論文の指摘と重複する部分もありますが、多くの問題点を取り上げています。
それでは、「主張」から、米国のシンクタンク戦略国際問題研究所の論文を引用した部分を紹介します。
「▽より強力な日本のイージス・アショアのレーダーは米本土を脅かすミサイルを前方で追跡する目的を果たすことができ、それによって米国は国土防衛のために高額なレーダーを太平洋地域で建設・運用する必要が軽減される。レーダーを共有することで恐らく10億ドルもの巨額な節約ができる。▽日本や北太平洋条約機構(NATO)のイージス・アショアはハワイやグアム、米東海岸といった死活的地域や戦略的な港湾・基地を防衛するために使用できる。」
「この論文は、イージス・アショアが迎撃ミサイルだけでなく長距離巡航ミサイルを搭載でき、発射前の北朝鮮のミサイルを地上で破壊できるとまで述べています。」
安倍政権は、17年12月にイージス・アショア導入の閣議決定を行いました。
当時の「中期防衛力整備計画」(14年度~18年度)にイージス・アショアは盛り込まれていませんでした。
上記引用部分の最初の▽は、トランプ政権の要求で、日本にイージス・アショアが配備されたことを裏付けるものです。
北朝鮮から見て、米軍のハワイ基地を結ぶ線上に、秋田市の陸上自衛隊新屋演習場が位置し、米軍のグアム基地を結ぶ線上にむつみ演習場があるとの指摘は、各方面からされています。
上記引用部分の二つ目の▽は、米軍主要基地を守るための日本のイージス・アショアではないかという疑問に答えるものです。
「前衛」9月号で山根隆志さんは、ロシアのラブロフ外相が「日本のイージス・アショアがINF条約に違反し、平和条約交渉を進める日ロ間の安全保障上の障害になっていると強調した。」と書いています。
上記引用部分の最後の箇所は、まさにロシアの憂慮が杞憂でないことを示しています。
「主張」は次の文章で始まります。
「米国製の陸上配備型ミサイル迎撃システム「イージス・アショア」の導入をめぐり、配備候補地の秋田県では、先の参議院選で選挙区の野党統一候補が勝利し、山口県でも町を挙げての反対運動が続くなど、『配備ノー』の地元の声は揺らぎません。」
岩屋防衛大臣は「できるだけ速やかに(導入を)実現する」と述べていますが、地元の意向を無視したイージス・アショアの強行は許されません。
総額6000億円の巨費を投じ、米国のミサイル防衛戦略に加担する危険極まりない配備計画は撤回するしかありません。
改めて、イージス・アショア配備に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
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