2日の山口新聞は、「全国知事会で次世代育成支援プロジェクトチームリーダーを務める村岡嗣政知事は2日、内閣府や厚生労働省、文部科学省を訪ね、虐待や貧困など困難な生活環境にある子どもへの支援策と少子化対策の抜本的強化を求める提言書を提出した。内閣府では、宮腰光寛少子化対策担当相と面会。村岡知事は子どもの貧困の実態に関する都道府県別のデータがないことを指摘し、国による調査の実態と情報提供を求めた。宮腰氏は『対策に結び付くような全国的調査を行いたい』と応じた。厚労省は大口善徳副大臣、文科省は中村裕之政務官と面会した。村岡知事は要請後、記者団に『提言をしっかり受け止めていただいた。地方の実情を踏まえ、政策にしっかり反映してほしい』と述べた。提言は7月23、24の両日に富山市で開催した全国知事会議で採択された。」と報じました。
全国知事会次世代育成支援対策プロジェクトチームは、今年5月17日、「少子化対策の抜本的強化に向けた緊急提言」「困難な環境にある子どもへの支援策の抜本強化に向けた緊急提言」「児童福祉法等の改正についての緊急要望」をまとめています。
山口新聞の報道の中にある「子どもの貧困の実態に関する都道府県別のデータがない点について、全国知事会次世代育成支援対策プロジェクトチームの提言では「困難な環境にある子どもへの支援策の抜本強化に向けた緊急提言」で「貧困の世代間連鎖の解消に向けた支援に当たっては、対象となる子どもの把握が困難なことや、都道府県別の『相対的貧困率』や『子どもの貧困率』党のデータがなく施策効果を図る指標がないことから、国の責任において、世帯や子どもの実態を把握する仕組みの構築や全国統一的な基準を用いた指標の設定などを行い、都道府県別のデータを提供すること」とあります。
子どもの貧困の実態を国が統一的に都道府県別のデータを出すことは重要だと思います。
その上で、2018年6月のデータで、都道府県の中で、27県が子どもの貧困に係る実態調査を実施(8県は2018年に実施予定)で、県内でも4市で実施している実態があります。
日本共産党県議団が、県独自の子どもの貧困に係る実態調査の実施を求めてきましたが、村岡知事は、山口県独自の調査を行ってきませんでした。
村岡知事は、国に子どもの貧困についての調査を依頼するのなら、県独自としての調査も併せて実施すべきではないでしょうか。
全国知事会次世代育成支援対策プロジェクトチームの「少子化対策の抜本強化に向けた緊急提言」の中に、「全ての子どもを対象にした医療費助成制度の創設」があります。
私は、国の制度として子どもの医療費助成制度が創設されることには大賛成です。
その上で、村岡知事は、今年5月21日、山口県市長会から「平成31年4月定例山口県市長会議における要望決議について」とする要望を受けています。
この要望項目の第一は「山口県福祉医療費助成制度における一部負担制度の撤回及び制度の拡充について」です。山口県市長会は「山口県が進める『結婚から子育てまでの切れ目ない支援』の実現に向け、県民が安心して子育てできる環境を創設するための最優先の施策として、山口県福祉医療費助成制度における一部負担金の撤回、所得制限の撤廃や子どもの医療費の対象年齢拡大など、制度の拡充を強く要望する。」と具体的に要望しています。
「福祉医療費制度助成制度について、将来に向けた制度のあり方等を協議検討する」ことを目的とした県と市町担当者で構成する「山口県福祉医療制度検討協議会」は、村岡知事就任後、開催されていません。
村岡知事は、国に対し、子ども医療費助成制度の創設を求めるのであれば、県市長会が「県民が安心して子育てできる環境を創設するための最優先の課題」と位置付ける山口県福祉医療費助成制度の「一部負担金の撤回、所得制限の撤廃や子どもの医療費の対象年齢拡大」などの制度の拡充要望に応えるべきです。
村岡知事就任後、山口県医療費助成制度の拡充は行われていません。
村岡知事は、子育て支援策について国の制度創設までの間、県知事として、他の都道府県で実施している子どもの貧困に係る実態調査や子どもの医療費助成制度の拡充などに着手すべきです。
子ども貧困などに対する施策について、皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
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