4月24日、特定非営利活動法人気候ネットワーク(代表 浅岡美恵)は、「山口の石炭火力発電所新設計画 大阪ガスが撤退を表明 ~電源開発・宇部興産による事業継続は誤った判断、直ちに計画中止を~」というプレスリリースを発表しました。
気候ネットのプレスリリースは、冒頭、大阪ガスの石炭火力発電所新増設計画から撤退を発表したことについて「大阪ガスの発表によれば、『電力事業を取り巻く事業環境の変化や将来的なリスク等を踏まえ、当社の投資基準に照らして総合的に判断』したとしている。今回の大阪ガスの決断を歓迎したい。」と指摘しています。
一方、宇部興産株式会社と電源開発株式会社の2社が計画変更を行い、新設計画を継続することを表明していることについて、気候ネットのプレスリリースは「設備容量を、60万kW×2基より変更し、60万kWクラスのUSCもしくは、酸素吹IGCC(石炭ガス化複合発電)による商用機開発への計画変更を検討するという。しかし、パリ協定との整合性を図るなら、2030年に石炭火力発電は全廃するしかない。IGCCへの変更を含めて現行の政府方針に沿う内容に変更したとしても本質的な問題は全く変わらない。また電源開発は、将来の脱炭素化に向けた研究や取組を進めるとしているが、CCSやCCUなど、実用化の可能性のない技術に依存することは、化石燃料利用やエネルギー多消費社会の継続を正当化させ、取るべき対策を遅らせるだけである。電源開発・宇部興産がなお事業を継続しようとしていることに私たちは驚きを隠せない。本事業を直ちに白紙撤回すべきである。」と指摘しています。
気候ネットのプレスリリースは、大阪ガスに対する住民運動を次のように紹介しています。
「大阪周辺では、大阪ガス社長宛に石炭火力発電所新増設計画から撤退するよう要望するはがきを出す市民アクションも2016年から行われていた。さらに、昨年6月の大阪ガス株主総会当日、その会場前で『ガスはクリーンなエネルギー』と宣伝する一方で石炭事業を進める大坂ガスに対する抗議アクションも展開された。今回の大阪ガスの撤退判断は、安全な気候や大気環境を守ることを願う、粘り強い市民アクションの成果である。」
気候ネットのプレスリリースは、宇部市や環境省の動きをこう紹介しています。
「地元の宇部市長は、環境影響評価手続きにおいて、『再検討』を求める意見を表明していた。地元市長の意見も石炭火力に対する厳しい姿勢が見られた。環境大臣も3月28日に、『電力部門の低炭素化に向けて~新たな3つのアクション~』を発表し、本計画への意見を念頭に、『是認できない』と厳しい意見を述べる方針を発表していた。こういう声を受けても本事業は直ちに中止するしか道はない。」
私と日本共産党宇部市議団は、2月20日、宇部市長と山口県知事に「石炭火力発電所の計画中止」を求める申し入れを行いました。
気候ネットの「計画を変更したとしても本質的な問題は全く変わらない」との指摘は重く受け止めなければならないと思います。
電源開発と宇部興産は、本事業を白紙撤回すべきだと私も思います。
電力広域的運営推進機関の供給計画の取りまとめを見ると中国地方の予備率は、2019年11.2%、2028年16.1%です。
中国地方の電力は充足しています。
何よりもパリ協定の要請に応えることが私たち人類の命題だと私は感じています。
気候ネットの「2030年に石炭火力発電は全廃するしかない」との指摘も重く受け止めなければならないと思います。
電源開発と宇部興産が、石炭火力発電所を宇部市内で新設しようとしています。皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
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