4月10日付「本願寺新報」に本願寺派総合研究所副所長の満井秀城さんが「悪人正機」についてエッセーを寄せています。
一昨年の12月、アメリカの著名な日刊紙「ニューヨーク・タイムズ」に、アメリカの哲学者二人の親鸞聖人に関わる論稿が1面全体を飾りました。
記事は以下の通りです。
「親鸞のように自らの正体を知っている愚か者たちは、自覚しているだけ、その無知さが和らげられている。(中略)それは、自分を過信することをやめ、他者の力、あるいはもろさに思いをはせる機会を与えてくれる。(中略)制御不能の瞬間を知ること、私たちをかんじがらめにしている習慣や思考からみずからを開放するとき知ることこそ、真の思慮深さであり、古来多くの県じゃらが美徳とみなしたものかもしれない。」
(日本語訳=宗派・寺院活動支援部・国際伝道担当・杉本昌子)
満井さんは、この文章を引用した上で、次のように書いています。
「縁に触れたら何をするかわからないものを持っていることに気づいた者と、そうでない者とでは、自ずと行動が異なります。例えば、ガソリンスタンドで給油している間、『ちょっと一服』と思ってタバコにライターで火を点けようでもしようものなら、店員さんが飛んできます。ガソリンは引火しやすいという可燃物の危険性を知っている者と、そうでない者とでは、自ずと行動が違うのです。悪人正機の社会性とも言うべきもので、遠くアメリカからそのことを教えてくれたような気がします。」
今月から始まったドラマに「インハンド」があります。
寄生虫学者の紐倉博士が生物と人体に関わる難事件を解決する物語です。
今、朱戸アオさんの原作コミックを読んでいます。
プロローグⅠで伝染病・シャーガス病を蔓延させた事件を追う厚生省・患者安全委員会の阿里玲がこう語るくだりがあります。
「人間は弱く愚かです ですからそれを前提としたシステムを作るべきです チェックによってミスを防ぐなんて考えで作られているラインは欠陥品を減らせません。人間はそもそもミスをする存在だからです」
私は、原発の事を考えます。
福島原発事故は、ガソリンスタンドで給油しながら、タバコにライターで火を点けたような事故だったと思います。
地震が多発する日本で原発を再稼働させたら再び事故が起こる可能性が十分考えられます。
人間は縁に触れたら何をするか分からない存在と知ること、人間は弱くて愚かな存在だと知ることが大切なのですね。
昨日放映されたドラマ「インハンド」は録画で後日観ることにしています。
宇部市会議員選挙の明日は投票日です。
後は野となれ山となれではなく、真に持続可能な社会を子どもたちに残すための賢明な選択を行いたいものです。
宇部市では、石炭火力発電所の建設が一つの争点になっています。地球的規模で考え、宇部市のためのよりよい選択をしようではありませんか。
今日は、「歎異抄」を読みながら選挙戦に臨みたいと思います。
No comments yet.
コメント公開は承認制になっています。公開までに時間がかかることがあります。
内容によっては公開されないこともあります。
メールアドレスなどの個人情報は、お問い合せへの返信や、臨時のお知らせ・ご案内などにのみ使用いたします。また、ご意見・ご相談の内容は、HPや宣伝物において匿名でご紹介することがあります。あらかじめご了承ください。