落語CDつきマガジン「落語 昭和の名人 極めつき72席」(全25巻)の刊行がスタートしました。
第1巻は、「五代目 古今亭志ん生」です。
題目は「火焔太鼓」と「猫の皿」です。
マガジンに「火焔太鼓」のあらすじがこう書かれてあります。
「小道具屋の甚兵衛は商売が下手で、清盛の̪溲瓶だとか、岩見重太郎の草鞋といった怪しいものを仕入れては損あかりしている。そのくせ、売り物ではない火鉢を売ってしまったため、冬は寒くてしかたがないと女房は不満たらたら。」
道具屋夫婦の掛け合いが絶妙です。
マガジンに「猫の皿」のあらすじがこう書かれてあります。
「掘り出し物を買い付け、江戸で売りさばく男が主人公。川越の外れの茶屋で一服している。ふと見ると。店先の地面に高価な高麗の皿が置いてある。」
骨董品の買い付けをする男と茶屋の主人との掛け合いがこれまた絶妙です。
何と、ボーナストラックとして「志ん生、芸を語る」という昭和40年に録音されたNHKのインタビューが収録されています。
この中で、志ん生は「『笑わせよう』は了見違い。ただまっすく演じるのみ」と語ります。
私の仕事にも通じるところを感じました。
マガジンに寄席文字書家 橘左近さんが、志ん生の魅力についてこう語っています。
「私にとって落語の魅力は、志ん生の魅力にほかなりません。志ん生には、とにもかくにも『この人をずっと見ていたい』という気持ちが、噺の上手とかどうのということよりもはるかに勝っていました。これが六代目三遊亭圓生だと『本当に巧い噺家』という印象が強く、一言半句も聴き漏らすまいと緊張しました。ところが志ん生は、肩の荷が下りたかのようにふんわりと聴け、笑えました。志ん生が醸し出すそんな空気に浸りながらも、『いま見ておかないと、こんな噺家には二度と出会えないぞ』と感じていました。」
志ん生は、昭和48年。私が9歳の時に亡くなっています。
私たちの世代は、志ん生を生で聴くことはかなわなかったけれど、録音で聴くことができます。
この間、10程の演目を演じる志ん生を聴いてきましたが、志ん生のファンの一人となりました。
私もしゃべる商売です。少しでも志ん生から勉強したいと思います。
間というのは大いに勉強になります。
志ん生ファンの皆さん、好きな演目をお聞かせください。
今年は、車の中で、昭和の名人の落語を繰り返し聴く年になりそうです。
次回、六代目三遊亭圓生が今から楽しみです。マガジン付きなので勉強になります。
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