議員日誌

今の日本には赤塚不二夫が足りない!

 NHKラジオ「すっぴん」に音楽家の大友良英さんがゲストとして登場しました。

 この中で、NHK土曜ドラマ「バカボンのパパよりバカなパパ」が6月から始まることを知りました。

 大友さんは、このドラマの音楽を担当します。

 早速、原作の赤塚りえ子著「バカボンのパパよりバカなパパ」を読み始めました。

 赤塚りえ子さんは、赤塚不二夫さんの娘さんです。

 私と同世代です。

 文庫本の解説は大友良英さん。表題は「今の日本には赤塚不二夫が足りない!」です。

 大友さんは、2011年4月、震災直後から故郷福島に入り「プロジェクトFUKUSHIMA」を立ち上げ活動を開始します。

 大友さんは、この活動の中で「今の日本には赤塚不二夫が足りない!」と発言します。

 この時の想いを大友さんは次のように書いています。

 「震災から2か月、まだまだ余震は続いていたし、放射能の状況も本当のところがなかなか見えない。政府は隠そうとしているのは、福島は遺棄されてしまうのではという強い疑念の中、今思えば、まるで戦時下のような切羽詰まった状況下で、わたしは全身で怒っていました。人生でこんなに怒り狂ったことはないってくらい。でも誰に対して怒っているんだか全然わかりません。そんなエネルギーだけが空回りする中で、それでもなんとか、このもの言えない状況を打開していかなくては、自分たちで堂々と線量を測れるようにしなくてはと、パンクミュージシャンの遠藤ミチロウ、現代詩人の和合亮一ら多くの人たちと福島で立ち上げた、言ってみれば超真面目なプロジェクトの設立宣言の場で、なにか切実な思いとともに言ってしまったのが、この言葉だったんです。『笑いはエネルギーだ!』この意味、あの時期の福島にいて、震災を経験してはじめて実感として分かった言葉でした。とにかく生きるためには、なにかを食べて、ぐっすり寝て、でもって笑ってなくては。それがなければ立ち上がれない。そう思いました。そして次に気づいてのは、笑いこそ思想の原点なのではなかということでした。」

 大友さんは、赤塚不二夫さんの思想についてこう書いています。

 「大人になって、お父さんのギャグの根っこには、実は満州での過酷な戦時体験や、日本に戻ってからの貧困と差別体験があることを知りました。手塚治虫さんや、水木しげるさんの漫画に戦争体験や貧困体験があるのは、誰の目にもわかりますが、まるでそんなもんと関係がなさそうな赤塚不二夫漫画の背景にも、こうした強烈な体験があったことを知ったときは衝撃でした。『これでいいのだ』や『賛成の反対なのだ』は、実は強烈なラディカルなのだって思った記憶があります。思想が戦争や差別みたいなもんを生むのなら、そんなもんの香りのするものは徹底的に笑い飛ばしてやれ。意味を無化してやれ。笑いを説明するなんて野暮の骨頂だけど、でもそんなもんだったんじゃないかって・・・」

 大友さんは更に書いています。

 「笑いがなんで生きるエネルギーになるのかといえば、笑うってことは自分はどう生きるのかって宣言であり、笑わす、そるいは笑われるってのは他人とどう生きるのかってこととイコールなのだ・・・って、あの震災の福島で思ったんです。言葉でうまく説明はできないけど、とにかく『笑い』だって思った瞬間、目の前に現れたのが、りえ子さんのお父さんだったんです。」

 6月からのドラマが楽しみです。

 私の世代は、生まれてすぐに、兄や姉たちみんなが「シェー」をやってるのを呆然と見ていた世代です。

 「西から登ったおひさまが東へ沈む それでいいのだ それでいいのだ 天才バカボン バカボンボン」

 とアニメ「天才バカボン」小学校に上がる前後から見たのが私たち世代です。

 赤塚不二夫さんは、昭和10年生まれ。まさに私たちの親世代です。

 大友さんは、自らを「赤塚不二夫のDNAを埋め込まれた僕ら」と言い、りえ子さんとは「イボ兄弟」と書いています。

 大友さんは、私より少し上ですが、世代でいえば、私たちも赤塚不二夫のDNAを埋め込まれた、りえ子さんとは「イボ兄弟」なのです。

 ドラマ開始を楽しみにしながら、まずは、赤塚りえ子著「バカボンのパパよりバカなパパ」を読み進めたいと思います。

 赤塚不二夫のDNAを埋め込まれた40~60代の皆さん。赤塚不二夫漫画の魅力をお教え下さい。

 

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