昨日、日本共産党北南地区委員会労働部主催の「未来社会を語り合うつどい」が宇部市内で行われ、約40名が集いました。
「未来社会を語り合うつどい」の冒頭で話す私
私が、最初に「わたしの想う『未来社会』はこんな社会!」と題して少々お話しをして、その後、活発に意見交換が行われました。
私がお話しした要旨は以下の通りです。
・・・
「しゃべりはじめ」として、「わたしの想う『未来社会』はこんな社会!」についてお話しします。
「藤本さんはいつも元気ですね」と言っていただきます。日本共産党員は未来への展望があるから明るいのだと思います。
日本共産党は、資本主義社会が、人類の到達した最後の社会、理想の社会だと考えていません。資本主義を乗り越えた先の未来社会を展望しています。展望からあるからだから明るいのです。
資料1は、第41回の民主同盟全国大会で志位委員長が行ったあいさつの内、未来社会について報じた部分です。
未来社会の最大の特徴は「人間の自由で全面的な発展」にあります。マルクスは、その最大の保障を「労働時間の抜本的短縮」に見だしました。
その上で志位委員長は、「いま私たちがとりくんでいる労働時間を短縮するたたかいは、未来社会の最大の特徴である『人間の自由で全面的な発展』につながる人類史的意義をもつたたかいです」と述べています。
未来を担う青年が「自由で全面的に発展」できる未来社会を展望するにあたって今日は、「労働時間」をキーワードに考えてみたいと思います。
資料2は、「さよなら!『働きすぎ』キャンペーン」の調査結果です。
同キャンペーンは、「仕事・生活実態調査」を行い570人が回答しました。およそ3割が、月の残業時間が80時間超だと回答しました。過労死ラインを超えた労働を多くの青年が行っているのが実態です。「労働によって奪われている「生活時間」を聞くと「趣味」が63%、「睡眠」が57%、「通院・リフレッシュ」が54%でした。「長時間労働をなくし生活を楽しむために必要な政策」では、「生活できる基本給」が69%、「法律違反の罰則強化」59%でした。
今でも残業月80時間超の過労死ラインが3割なのに、更に長時間労働を加速し、サービス残業を合法化の裁量労働制を導入しようとしているのが、安倍政権の「働き方改革」法案です。
23日の朝日新聞を拡大してパネルにしました。厚生労働省の「2013年度労働時間等総合調査」をもとに首相は、一般労働者は9時間37分、裁量労働制の労働時間は9時間16分になっているとし、1月29日の衆院予算委員会で、「裁量労働制で働く方の労働時間の長さは、平均的な方に比べれば、一般労働者よりも短いというデータもある」と答弁しました。厚生労働省が検証した結果、一般労働者については、1ケ月で最も残業が多かった日の残業時間の平均に、法定時間の8時間を加え、「平均労働時間」を算出している実態が明らかになりました。残業1日「45時間」なのに1ケ月「28時間」など117件のデータの異常も明らかです。
20日の予算委員会で、高橋千鶴子議員が示したのが、資料3です。
企画型裁量労働制の場合、10時間以上の実労働を行った人は平均的な人で31.7%、最長の人で75・0%です。しかし、みなし労働時間を10時間以上にしている人は、0.1%に過ぎません。何時間働いても、「みなし時間」分しか賃金が払われません。まさに、裁量労働制とは、「サービス残業合法化」制度です。それを営業職まで拡大しようとしています。
労働政策研究・研修機構の調査では、月200時間以上働く労働者の割合が、通常の労働時間制では30.4%、企画業務型では43.4%、専門業務型では52.2%でした。裁量労働制の方が長時間労働になることは明らかです。
毎日新聞は、「厚生労働省は、働き方改革関連法に盛り込む裁量労働制の対象拡大について施行時期を現行の予定から1年遅らせて2020年4月にする修正案の検討に入った」と報じ、NHKは「政府与党が重要法案と位置付ける働き方改革関連法案の国会への提出は、来月にずれこむ見込み」と報じました。
2015年の厚生労働省労働政策審議会の「建議」には、「長時間労働を抑制し、仕事と生活の調和のとれた働き方を拡げていく」とされています。
働き方改革法案では、過労死ラインを超える月100時間未満の残業を認める内容にもなっています。裁量労働制の拡大と併せて、長時間労働を抑制するのではなく拡大する働き方改革は働き方改悪です。
法案の提出を遅らせても、裁量労働制の実施を遅らせても、安倍政権は、裁量労働制=サービス残業合理化制度を残す法案を強行しようとしていることに変わりはありません。働き方改悪法案は撤回しかありません。
資料4は、2015年に過労自殺した広告代理店大手・電通の新入社員・高橋まつりさんのお母さん=幸美さんの手記を報じたものです。
月100時間未満の残業規制を設ける政府の働き方改革に幸美さんは、「過労死ラインを超える長時間労働を認め、大変疑問が残る」「欧州諸国のように11時間の勤務間のインターバルの義務化こそ必要」「眠らないで生きられる人間などこの世にいるはずはないからです」と書いています。
安倍政権が進める働き方改革では第二のまつりさんが生まれます。若者を使捨てにする社会を今こそ変えていきましょう。
資料1の通りマルクスは、「資本主義的生産は、他のどの生産様式よりもずっとはなはだしく、人間、生きた労働の浪費者であり、血と肉の浪費者であるだけでなく、脳髄と神経の浪費者である」と資本論で述べています。
マルクスの言葉は、長時間過密労働で生命と健康がむしばまれ、ブラック企業や不安定雇用で人間の『使い捨て』が横行している現代の日本資本主義に対する痛烈な批判となっています。この恐るべき「人間、生きた労働の浪費」が一掃されたら、一人ひとりの労働者がおかれている過酷な状態が一変して、社会と経済にすばらしい発展がもたらされるでしょうか。
資本主義の枠の中での民主的規制で、日本共産党が主張する「8時間働けば普通に暮らせる」社会を一日も早く実現したいと思います。しかし、資本主義社会の中で、資本家による労働者への搾取は続き、利益第一主義の経済が鉄則であることに変わりがありません。
「すべての人間の自由で全面的な発展」を実現できる社会は、残念ながら資本主義社会では実現できないと思います。
社会主義・共産主義にすすんで、たとえば労働時間が2時間、3時間と短くなったら、すべての人に自由な時間が保障され、その潜在的な能力をのびのびと自由に発展させることができるようになる。これが社会全体の素晴らしい発展の力になり、さらにまた労働時間の短縮につながるという好循環が生まれてくる。」
マルクスは未来社会について、「共産党宣言」で「各人の自由な発展が、万人の自由な発展の条件であるような一つの結合社会」といいました。
長時間・使い捨て労働が深化する資本主義社会を乗り越えて、「万人の自由な発展」を進める社会を展望していこうではありませんか。
・・・
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