「黒澤明DVDコレクション」がスタートしました。
黒澤明監督は、1943年の「姿三四郎」から1993年の「まあだだよ」まで、50年にわたって30本の作品を読み送り出してきました。
黒澤昭監督の30本の映画全てがDVDとして発売されます。
時代劇あり、現代劇あり、アクションあり、サスペンスあり、黒澤明作品を今年1年満喫していきたと思います。
コレクションの第一は、「用心棒」です。
主役の三船敏郎さんは、40代前半の脂ののりきった時。三船さんの殺陣の冴えが見事です。
三船演じる用心棒の相手役を務めるのが、仲代達矢さん。仲代さんは、20代後半。
短銃を持ち得体の知れない卯之助を見事に演じた仲代さんの演技の冴えも見事です。
DVDに付いているマガジンに、卯之助を演じた仲代さんのインタビューが掲載されています。
卯之助のマフラーが異様さを脚色しているのですが、マフラーを付けることになった裏話を仲代さんが語っています。
「なかなか監督からOKが出なかった。その大きな原因が、私の首の長さでした。何を着せても私の首が長いせいで監督が納得しないんです。」「監督が衣裳部屋に会った赤い布を見つけて、『仲代、これ首に巻いてみろ』と思いつきでおしゃって、言われるままに首に巻きました。それで決まりましたね。この赤いマフラーを巻いた卯之助の医療は、当時話題になりましたが、それは、私の長い首をカバーするための苦肉の策だったんです。」
仲代さんは、黒澤作品についてこう語っています。
「黒澤監督は、エンターテーメント、娯楽劇を作っていても、どこか社会劇的な要素を入れるんですね。その後も、黒澤監督の作品に何本か出させていただいていますが、そこには常に、『争い』というものに対する批判的な精神が根底にあったんだと感じます。『影武者』にしても『乱』にしても。だから『用心棒』も、ただの娯楽劇ではなかったような気がするのです。そんな作品の奥深さが、世界中で評価された一因なのかもしれません。」
三船さん演じる用心棒は、宿場町で抗争を繰り返している二つのやくざ組織を渡り歩きます。
用心棒が強いと分かると、二つの組織が、用心棒を奪い合います。その当たりのくだりは、実に、社会を風刺し人間の愚かさを露呈させるものであると私は受け取りました。
政治の世界では、次々できる新党を彷彿させますし、スクープ合戦を繰り返すマスコミの姿も彷彿させます。
仲代さんが言うように、「争い」というものに対する批判的な精神が根底にある作品の一つが「用心棒」であると思います。
仲代さん自身を私は、「『争い』というものに対する批判的な精神が根底にある」人物だと評価しています。
それは、仲代さんは、度々、しんぶん「赤旗」に登場しているからです。
先日、仲代さんは、しんぶん赤旗創刊90周年にあたってメッセージを寄せています。
「近年の『野党と市民との共闘』の選択は、非常に心強いものがあります。立場の違いを超えて、一歩でも半歩でもより良い社会へと向かう道を選ばれたこと、心から敬服いたします。その『共闘』の下地をつくったのは、『赤旗』紙上での幅広い人びととの交流ではなかったでしょうか。貴紙の益々のご発展を願う次第です。」
仲代さんは、黒澤映画には「用心棒」「椿三十郎」「天国と地獄」「影武者」「乱」に出演しています。
黒澤明DVDコレクションの中で、仲代達矢さんの演技にも注目していきたいと思います。
DVDコレクションと言えば、山田洋次名作劇場は全て集め、私の大切な宝物となっています。
黒澤明DVDコレクションも全て集め、私の宝物の一つにしたいと思っています。
皆さん、黒澤映画についての思い出をお聞かせ下さい。
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