昨日と今日のしんぶん「赤旗」日刊紙に、福島県いわき市での朝鮮人強制動員の実態がレポートされています。
いわき市内の元高校教師、龍田光司さんが10年に及んで「労働動員」を韓国で聞き取り調査し、実態が明らかになってきました。
しんぶん「赤旗」日刊紙の記事を引用しましょう。
「第二次世界大戦中の1939年から毎年3000~4000人、6年間で約2万人の朝鮮人が、いわき市に『戦時労働動員』として送り込まれました。(全国では約70万人)龍田氏は2005年、いわき市の炭鉱の落盤事故や病気などによる296人の死亡者名簿を持ち、調査員として韓国を訪問しました。」
「最初に会った強制労働の被害者は江原道(カンウォンド)横城(フェンソ)郡の男性(当時82歳)。炭車の事故で無残に変形した右手首を龍田氏に見せました。義城(ウィソン)郡では、いわき市の内郷炭鉱に伯父が行ったという男性が『日本に行って8カ月で亡くなり、補償がなかった』と聞きました。」
「民族差別で朝鮮人はより厳しい労働現場に配置され、坑内事故による死亡率も高くなりました。入山採炭や磐城炭鉱でも朝鮮人の8割は死亡率の高い切羽(きりは=坑内の採掘現場)の採炭夫など坑内夫でした。賃金も『貯金』も強制され、受け取ったのは小遣い銭程度。終戦時、未払い賃金もろくに生産しないまま帰国しました。」
「龍田氏は言います。『朝鮮人の『戦時労働動員』の実態を知り、伝えていくことが日韓友好の手だてになります。日本が起こした侵略戦争と国民の悲惨な体験をもとにできた今の憲法を誇りにし、守ることをもっと広げる必要があります』」
私は、「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」の運営委員として活動しています。
大韓民国政府・国務総理所属 対日抗争期強制動員被害調査及び国外強制動員犠牲者支援委員会が、2007年にまとめた「日本の長生炭鉱ス勃事故に関する真相調査」から事件の概要を引用します。
「長生炭鉱水没事故は、日本が太平洋戦争を開始した翌年の1942年2月3日午前10時、採炭作業に投入されていた炭鉱夫183名が突然の坑内浸水によって死亡するという大型炭鉱事故として記録に残る事件である。183名の中には朝鮮南部地域で『募集』という名の下に動員された朝鮮人130余名が含まれていた。」
宇部市の長生炭鉱だけで、朝鮮人の動員者が1258名に達していました。
いわき市同様に長生炭鉱においても、朝鮮人動員者の多くは、最も危険な切羽作業に従事させられていたことが水没事故の様子からも伺えます。
長生炭鉱の水非常を記録する会の追悼文に「私たちは、このような悲劇を生んだ日本の歴史を反省し、再び他民族を踏みつけにするような暴虐な権力の出現を許さないために、力の限り尽くすことを誓う」とあります。
韓国では、新しい文大統領の当選を確実にしています。
昨日の国会では、日本共産党の小池書記局長の質問で、安倍首相が自衛隊を憲法に明記し、憲法9条を形骸化しようとしていることが明らかになりました。
「国際紛争を解決する手段として武力の行使は永久に放棄する」という憲法9条の立場で、安倍首相は、韓国新大統領ととともに、東アジアの安定のために力を尽くす時です。
その事が、「再び他民族を踏みつけにするような暴虐な権力の出現を許さない」ことにつながります。
国民の声を無視して、憲法9条を形骸化させ、自衛隊を憲法に位置付けることを安倍政権が急ぐ事は、安倍政権が「再び他民族を踏みつけにするような暴虐な権力」との誹りをアジアの他国から受けることになるのではないでしょうか。
5月20日(土)は、午後2時から宇部緑橋教会で、長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会の定期総会が行われ、その後、呉充功監督の「払い下げられた朝鮮人」を視聴します。
関東大震災の際、朝鮮人の大量虐殺が行われました。この映画はその実態を明らかにした作品です。
私も戦前、日本で朝鮮人の方々がそのように虐げられていたのかしっかり学ぼうと思います。
映画上映は15時~です。多数の皆さんのご参加をお待ちしています。
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