2009年に作製されたSABU監督の映画「蟹工船」をDVDで観ました。
松田龍平が演じた新庄の訴えが心に響きました。
新潮文庫版小林多喜二「蟹工船」から引用します。
「・・いゝか、まア仮りに金持が金を出して作ったから、船があるとしてもいゝさ。水夫と火夫がいなかったら動くか。蟹が海の底に何億っているさ。仮りにだ、色々な仕度をして、此処まで出掛けてくるのに、金持が金を出せたからとしてもいゝさ。俺達が働かなかったら、一匹の蟹だって、金持の懐に入って行くか。いゝか、俺達がこの一夏こゝで働いて、それで一体どの位金が入ってくる。ところが金持はこの船一艘で純手取り四、五十万円ッて金をせしめるんだ。-さあ、んだら、その金の出所だ。無から有は生ぜじだ。-分かるか。なア、皆んな俺達の力さ。-んだから、そう今にもお陀仏するような不景気な面してるなって云うんんだ。うんと威張るんだ。底の底のことになれば、うそでない、あっちの方が俺達をおっかながってるんだ。ビクゝすんな。
水夫と火夫がいなかったら、船は動かないんだ。-労働者が働かねば、ビタ一文だって、金持の懐にゃ入らないんだ。さっき云った船を買ったり、道具を用意したり、仕度をする金も、やっぱり他の労働者が血をしぼって、儲けさせてやった-俺達からしぼり取って行きやがった金なんだ。-金持と俺達と親と子だなん・・・。」
剰余価値をこれほど分かり易く言った言葉はないと思います。改めて小林多喜二の凄さを感じました。
志位委員長は、衆議院本会議終了後に記者会見で、「安倍政権の今度の国会におけるふるまいを見ておりますと、強権政治、暴走政治が極まったと思います。」「私たちとしては、この自民党、公明党、維新の会、この暴走推進ブロックに対して、次の総選挙で厳しい審判を下していきたい。」と述べました。
日本共産党第27回大会決議案は、「安倍政権の強権政治=暴走政治は、この政権の『強さ』では決してない。これは古い自民党政治が、深刻な行き詰まりに直面し、国民との矛盾をいよいよ広げていることのあらわれにほかならない。」と述べています。
多喜二が言う「あっちの方が俺達をおっかながっている」のが今日の情勢の特徴と言えるでしょう。
野党と市民の共闘を前進させ、暴走推進ブロックに総選挙できっぱりとした審判を下しましょう。
SABU監督の映画「蟹工船」に勇気をいただきました。
蟹工船に対する想いをお聞かせ下さい。
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