米海兵隊の最新鋭ステルス戦闘機F35Bの米軍岩国基地への配備計画について、岩国市の福田市長は、昨日、市議会全員協議会で「承認したい」と述べ受け入れを表明しました。今後、県や和木町、周防大島町と協議し、国に配備の可否について回答する方針です。
今朝の朝日新聞は、「福田市長はF35Bの安全性について『初納以降、重大な事故の発生はない』と説明。市民団体から指摘を受けていた同型機F35Aの事故については『改善措置がされており、安全性に問題は生じない』と述べた。騒音については『国の騒音地域の予測図(コンター)では、陸上部分では配備直後の騒音状況にほとんど変化がない』とし、米アリゾナ州のユマ海兵隊航空機で実機を視察した際、岩国基地の現行機と比べて『体幹的な差はほとんどなかった』と説明した。また、F35Bが現行機とほぼ同じ運用が見込まれることなどを挙げ、『住民生活への影響は、現状より悪化することはないことが確認できた』と総括した。」と報じています。
「もう我慢できない際限のない基地強化!F35B配備反対市民集会実行委員会」のビラには、F35B配備の問題点が3点書かれてあります。
第一は、騒音の増加が予想されるという問題です。
F35は従来の戦闘機と比べ、レーダーに映りにくい高度なステルス性を持つ垂直離着陸型の最新鋭戦闘機で、B61型の核弾頭を搭載できます。F35は、米国内で配備計画がされている基地周辺住民から騒音への懸念が強まっており、特にアメリカ・バーモンド州のバーリントンでは市議会が撤回を決議し裁判も行われるなど激しい反対運動が展開されています。
アメリカで騒音問題で裁判が起こるような戦闘機を岩国基地に配備して大丈夫でしょうか。
第二は、沖縄の負担が増大するという問題です。
岩国のF35Bは沖縄での訓練が予定されています。その拠点として米軍嘉手納基地に格納庫を建設し、伊江島補助飛行場の着艦訓練場(LHDデッキ)を大幅に拡張・強化。さらに沖縄本島北部の空域を拡大します。これまで、政府も岩国市当局も、口を開けば「沖縄の負担軽減」と言ってきましたが、実態は全く逆です。沖縄も岩国も、負担を押し付けられるばかりです。
第三は、中国四国地方で低空飛行訓練が増大するという問題です。
「窓ガラスが割れた」「土蔵が壊れた」「保育園をめがけて飛行している」・・・岩国基地を飛び立った戦闘機が、中・四国地方で低空飛行訓練を行っています。訓練中に高知県の早明浦ダム湖で墜落事故を起こしたこともありました。低空飛行訓練は、戦闘機や砲撃による攻撃を避けながら、敵基地などを攻撃するための技量を磨くものです。民間機も自衛隊機も居住地域での低空飛行訓練は行ってはならないことになっています。米軍だけが全国どこでも自由勝手にしている異常さを許すことはできません。
昨日の全員協議会の場で「市長の体感ではなく、科学的、物理的な資料を示すべき」などとの意見が出されたようです。
1日、前述した実行委員会は配備計画などについて住民説明会を開催するよう要望しました。これについて市は「新たな配備ではなく機種変更であり、開催は考えていない」と答えました。
今朝の朝日新聞は、「なし崩しの基地機能強化でリスクを負うのは市民だ。」と書きましたが、岩国市は、全員協議会で市民への説明を終わりとせず、市民から出されている疑問に真正面から答える住民説明会を開催すべきです。
村岡知事は、岩国市の対応について「特に違和感はない。判断は判断として受け止めたい。」などと述べたと報じられています。
県は「これ以上の基地機能強化は認められない」との基本スタンツから、真摯に、岩国市とともに、住民への影響を再検証し、国の回答を行うべきです。
来年1月、ホーネットに代わって、F35Bステルス戦闘機が10機、同年8月ハリアーに代わって、6機が配備されようとしています。
F35配備に伴い新たに130名の軍人・家族が岩国に移動する計画もあります。
岩国市長の配備容認の姿勢は、際限のない基地増強への道であり、認められません。
先述した実行委員会では、20日(日)午後2時~、岩国市庁舎前芝生広場で、「F35B配備反対市民集会」を行います。
宇部市からバスを運行します。(詳細は、本ブログ、インフォーメーションを参照ください。)集会への多くの皆さんのご参加をお願いいたします。
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