議員日誌

ノーベル賞大隅良典さん「基礎研究こつこつ」

 10月23日付「サンデー毎日」に、今年のノーベル医学生理学賞を受賞した大隈良典・東京工業大学栄誉教授さんを扱った記事が掲載されていました。

 大隈さんは飢餓状態になっても自食作用をみせない酵母と正常な酵母を比較することで、オートファジーを起こす遺伝子を特定し、その仕組みを解明したことで今回の受賞を決めました。

サンデー毎日に「大隈さんは3万8000種類の突然変異の酵母を検査し、オートファジーに関わる14種類の遺伝子を見つけ出した。」とあります。

 大隅さんのノーベル賞受賞に至る過程に、基礎研究をこつこつを続けてこられたことがあったことが分かりました。

 私が、注目したのは以下の記事です。

 「日本のノーベル賞受賞は3年連続、大隈さんで25人目(米国籍受賞者を含む)だ。2000年代に入って自然科学系の受賞が相次いでいるが、1990年代までに培った基礎研究が花開いたケースが多い。オートファジーも基礎研究の一つだ。近年、実用性の高い研究が重視され、基礎研究には厳しい環境が続いている。

 文部科学省が8月に公表した研究者約1万人(回答率36%)を対象としたアンケートでは、所属機関から支給される個人研究費が年間50万円に満たないとする回答が6割に上った。研究者から公募した課題に分配する国の『科学研究費補助金』も採択率は約3割にとどまる。大隅さん自身、受賞決定後の記者会見で『日本のシステムは個人経費となっていて、みんなで共有しながらということがなかなかできない。若い人が自分の発想で研究できるかという面では欧米より遅れている』と危惧を示している。『人のやらないことをやってきて受賞につながった。基礎研究をこつこつやることが重要だということを知ってもらえれば・・・』」

 「若い人が自分の発想でこつこつ基礎研究ができる」環境の整備が日本に求められていることをこの記事を読んで知りました。

 今朝の毎日新聞にノーベル賞の記事が掲載されていました。

 この中に「大隈氏は受賞決定後の7日、東工大での講演で、まだ実用化に結び付いていない基礎研究の重要性を強調し、『最近は成果の出やすいはやりの研究に向かう傾向が強くなっているが、こつこつ最低でも5年間くらいやってみることが大切。時間をかけて研究課題を育てていかないければいけない』と述べた。大隈氏は酵母の細胞のオートファジーを見つけた88年以来、仕組みの謎を解いてきた。」とあります。

 実用的な研究にばかり支援をする傾向が日本では顕著であることがこの記事を読んで分かりました。

 日本の研究者がこれからも世界をリードするために、文部科学省などが基礎研究にも予算をつぎ込む必要があることをこれら記事を読んで感じました。

 私は、小中学校のPTAに関わっていますが、義務教育の時代は、とにもかくにも、子どもたちに基礎学力をつけさせることが最重要だということもこれらの記事を読んで感じた点です。

 様々な研究に携わっておられる皆さん、研究環境はどうあるべきだと感じておられますか、ご意見をお聞かせ下さい。

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