議員日誌

あたらしい憲法草案のはなし

 自民党の憲法改正草案を爆発的にひろめる有志連合(自爆連)が自民党の憲法改正草案をわかりやすく解説した本が「あたらしい憲法草案のはなし」です。知人の方から紹介されて今読んでいます。

 日本国憲法が公布された直後に、当時の文部省が中学校1年生むけに「あたらしい憲法のはなし」という教科書を作りましたが、それにみなって自民党の憲法改正草案を基に作成されたのが、「あたらしい憲法草案のはなし」です。

 「はじめに」の最後に「憲法改正に賛成する人も、反対する人も、どうぞこの本をお読みください。この草案を考えた人びとが、どれほど強い、熱い思いをもって、あたらしい憲法をつくろうとしているのかが、きっとおわかりになるでしょう。そのうえで、憲法を変えたほうがよいのかどうかを、しっかり考えておらいたいと思います。」と本書の出版意図がこう書かれています。

 参議院選挙の結果、改憲勢力が衆参両院で3分の2を超えた今、比例代表で自民党と書いた人にも、この本で、自民党の憲法改正草案の中身を知っていただきたいと思います。

 内容を少し紹介します。

 自民党の憲法改正草案では、憲法の3原則が①国民主権の縮小②戦争放棄の放棄③基本的人権の制限に変更されると書かれています。

 「戦争放棄の放棄」に関し、現行憲法9条2項が自民党憲法改正草案ではどうなるかの部分を紹介します。

 9条2項がなくなり、自民党改憲草案では「前項の規定は、自衛権の発動を妨げるものではない」に変わります。

 「条文がこのように変われば、日本は正々堂々と、自衛のための戦争ができるようになるのです。しかも『自衛権の発動』には制限がもうけられませんので、自分の国をまもるためなら『どんな戦争でもしてよい』ことになります。これまでの9条は戦争をしないためのブレーキでしたが、あたらしい9条は、戦争をしやすくするためのアクセルといってもいいでしょう。」

 12日付けの毎日新聞で弁護士の伊藤真さんが、こう述べています。

 「安倍首相は参議院選の結果を受けて『自民党の方向性が支持された』として政策を進めていくだろう。少なくとも民主主義の国ならば、そのように評価されてもやむを得ない。ただ、自民党が提唱する、より強くて豊かな国づくりと、今の憲法が理念とする一人一人の個人を尊重する国づくりは、目指すところが正反対だ。こうしたなか、国民はどのような国で生活するのが幸せを感じられるのか、自分たちのこととして考える時期にある。」「改憲問題はこの参院選で終わりではない。市民が今こそ憲法を学び、力を培い、その力をもって次の総選挙で憲法を意識した投票行動に出るための始まりと位置づければよいと思う。」

 伊藤弁護士が言う「総選挙で憲法を意識した投票行動に出るための始まり」として「あたらしい憲法草案のはなし」を読むことは、大いに価値のあることだと思います。

 「あたらしい憲法草案のはなし」を座右に置いて、現行憲法のかけがえのない価値を再認識したいと思っています。

 皆さんは自民党の憲法改正草案をどうお考えですか、お教え下さい。

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