上橋菜穂子さん小説「精霊の守り人」を読んでいます。
NHKドラマを導きの糸に、これまで以上に、リアルにクリアーにこの小説を読むことができます。
水の妖怪を『星心ノ剣』で退治して帝となった聖祖トルガイ。
聖祖トルガイは、『天の神』の庇護のもとにある国を意味する「新ヨゴ皇国」を興しました。
この神話が建国正史に書かれヨゴ人は、この神話を信じさせられて暮らしています。
ヨゴ人がこの地に来る以前から暮らしていたのは、ヤクー人。
ヤクーに伝わる伝説には、「新ヨゴ皇国」建国正史に書かれていないラルンガ(卵食い)の存在が書かれています。
新ヨゴ皇国の星読みでるシュガの心に不安が過ります。
「これまで『天道』こそは、この世のすべてであり、星読みとしての知識を究めれば、いずれは真理に達すると思っていた。それを、つゆ疑うことはなかった。だが、ほんとうに、そうなのだろうか。ヤクーの呪術師が、聖導師さえ知らなかったことを知っていたように、この世には、もしかしたら『天道』とは別のなにかが、動いているのかもしれない-そんな思いがシュガの心の底に蠢きはじめたのだ。」
上橋菜穂子さんは、オーストラリアの先住民族アボリジニの研究者でもあります。
建国神話の秘密、先住民の伝承など、文化人類学者である上橋菜穂子さんらしい緻密な世界がこの物語には展開されています。
私は、NHKドラマの導きを得ながら、ようやく物語の世界の入口に入ることを許されたようです。
この物語は、今を生きる私たちに大きな示唆を与えてくれるものだと確信しています。
今の世界の困難を解決するための方策を教えてくれる物語だと確信しています。
「精霊の守り人」の感想をお教え下さい。
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