漫画家の水木しげるさんが亡くなられました。
HNK朝の連続ドラマ「ゲゲゲの女房」以来、人間としての水木しげるさんに興味を抱きました。
今、高校三年になった長男が小学校6年生の時、我が家の男4人で、水木さんの故郷=境港市を観光したことを思い出します。
私が、水木さんの作品で一番衝撃を受けたのは、「総員玉砕せよ!」です。
南太平洋・ニューブリテン島で日本兵が玉砕する様子が克明に描かれています。
水木さんは、水木さんは、この作品のあとがきでこう書いています。
「軍隊で兵隊と靴下は消耗品といわれ、兵隊は『猫』位にしか考えられていないのです。」「将校、下士官、馬、兵隊といわれる順位の軍隊で兵隊というのは、『人間』ではなく馬以下の生物と思われていたから、ぼくは、玉砕で生き残るというのは卑怯ではなく『人間』として最後の抵抗ではなかったかと思う。」「ぼくは戦記物をかくとわけのわからない怒りがこみ上げてきて仕方がない。多分戦死者の霊がそうさせるのではないかと思う。」
水木さんは、玉砕の島で九死に一生を得て、この漫画を後世に遺したのです。
第二次世界大戦の反省の元に制定された日本国憲法全文には「決意」という言葉が二回出てきます。
「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることがないようにすることを決意」
「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意」
人間が消耗品とされ馬以下だった時代を繰り返すまいとする決意が日本国憲法全文に書かれています。
戦後70年経過して、あの戦争を体験した語り部の一人を失ったことはとても残念です。
しかし、水木さんの作品は後世に残ります。
私たちは、水木さんの作品から、平和を築く決意を新たにしたいと思います。
水木さんは天国で、鬼太郎やねずみ男と楽しく過ごしておられることでしょう。
水木さんありがとうございました。安らかにお休みください。
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