大学時代のサークルの同期会で三重県に行きました。
往路の途中で下車して、和歌山市にある有吉佐和子記念館に行ってきました。
有吉佐和子さんの東京の家と同じ建物を再建した記念館は素敵でした。
記念館で「新潮日本文学アルバム・有吉佐和子」を購入しました。
有吉佐和子さんは、和歌山市で生まれます。有吉家は、もともとは長州萩藩にあったと前半の「評伝」にありました。
後半の橋本治さんの「彼女の生きた時代」を興味深く読みました。
橋本さんは、有吉佐和子さんについて次のように書いています。
「有吉佐和子の作品をかつての男達が評価しなかったのは、彼女の書く主人公達が、皆根本のところでは自由だからだー私はそのように思う。女達は自由で、社会に寄生して生きている男達には、その自由が理解出来ない有吉文学に描かれる女達の葛藤、あるいは格闘は、こんなギャップから生まれるのだと思う。」
「『自分が自由であることは、自分が女であることだ』あるいは、『自分が女であることは、自分が自由であることだ』と知っていた有吉佐和子は、誰よりも強くなれた女だったのかもしれない。そして、そんな彼女を誰よりも孤独にしてしまうくらい『戦後の日本』という時代じゃ、不自由な時代だったのだろうと、私は思う。だから、自分の自由を守ろうとしていた者にとって、有吉佐和子の作品は重要なのだ。そのことに、男女の差はないだろうと、私は思う。」
社会に寄生していることに気づかせ、自由に気づかせるのが、有吉文学なのだという橋本治さんの評論に頷きながら、三重県に向かいました。そして今、「複合汚染」を読んでいます。この小説の中に若き菅直人さんが出てくるところに気づきました。これからも自由を求め、有吉作品を読み進めようと思います。
有吉佐和子ファンの皆さん、感想をお聞かせください。
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