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望月衣塑子・五百旗頭幸男著「自壊するメディア」を読んで

 8月18日に第1刷が発行されたばかりの望月衣塑子・五百旗頭幸男著「自壊するメディア」を読みました。
 望月衣塑子さんは、ご存じの方も多いと思います。東京新聞社会部記者。著書「新聞記者」は映画化され日本アカデミー賞の主要3部門を受賞しました。数年前に、宇部市で講演をしていただいて、直接お会いする機会がありました。小柄な方でしたが、エネルギッシュな講演は、私の脳裏に深く残っています。また、偉ぶったところがなく、気さくな人柄が伝わってくる方でした。
 五百旗頭さんは、元富山県のチューリップテレビの記者。2017年に富山市議会の政務調査費不正問題を追ったドキュメンタリー番組「はりぼて 腐敗議会と記者たちの攻防」の監督を務めました。映画「はりぼて」は全国映画連賞、日本映画復興賞を受賞しました。
 私は、映画「はりぼて」を観ました。私も約30年間、地方議会に身を置いたものとして保守政治の本質を抉り出した作品に感服しました。
 五百旗頭さんは、この本の中で、「新型コロナという未知のウイルスは、この国の政治や社会、人間の本質をあぶり出した。」として富山県の状況を次のように書いています。
 「コロナ禍で民意は既存政治の限界に気づきはじめた。有権者に占める自民党員の割合が日本一の保守王国富山県では地殻変動が起きている。2020年10月の県知事選は半世紀ぶりの保守分裂選挙となり、自民党が推薦した現職の石井知事が新人に惨敗。2021年7月の高岡市長選は新人3人による保守分裂選挙となり、自民党推薦候補が事前の党内選考からもれた候補に惨敗した。自民党が推薦候補を決めても組織がまとまらず、党を割って対抗馬が出てくる。これまではありえなかったことが立て続けに起きた。盤石とされてきた組織ほど、政党や経済団体などをフル稼働させた厳しい締めつけを伝統芸に持つ。もはやカビ臭いそのしきたりに自民党員ですら嫌気がさしている。高岡市長選で敗れた自民党推薦候補の陣営は、後援会名簿5万人分を集めたというが、得票はその半数にとどまった。保守王国の組織力が急激に崩壊している。」
 望月さんは、この本の中で、菅政権について「後手後手の新型コロナウイルス対策。何を聞かれても『安心・安全』しか答えなかった東京オリンピック・パラリンピックのリスク対策ー。こんな菅義偉首相を目の当たりにして、かつて『鉄壁』などと持ち上げていた人たちも、さすがに目が覚めたのではないか。」と批判し、菅政権への現れを次のように書いています。
 「菅政権の危機管理能力のなさと、弱いものばかり負担を強いる『いじめ体質』が明らかになると、従来の与党支持層を巻き込んで怒りが広がった。元日本マイクロソフト社長・成毛眞氏は、『(政府は)もはやグダグダなのだから、秋の総選挙は都議選以上の波乱が起こるだろう』『飲食店は自分たちが激怒していることを効果的に表現しないとダメ』と呼び掛けた。すると、『秋の総選挙では、自民党と公明党以外に投票します』と書かれたポスターを店先に貼り、画像とともに『#自公以外に投票を』とツイートする事業者が続いた。世論調査の数字にもはっきり出た。時事通信の数字にもはっきり出た。時事通信が7月9~12日に実施した世論調査では、菅政権の支持率は発足後最低の29.3パーセントに急落。3割を下回るのは『加計学園』問題で安倍政権が揺れた2017年7月以来、4年ぶりだった。自民党の政党支持率も21.4パーセントで、『青木の法則』(政党支持率と内閣支持率の和が50を下回ると政権維持が困難になる)の危険水域に突入している。五輪後に待ち受ける衆院選を前に『菅のままでは負ける』の声が与党内でささやかれている。」
 富山県に並び自民党員の多い山口県でも衆議院3区で保守分裂が起きています。これは、五百旗頭さんが指摘する富山県で起きている変化に通じる動きです。
 毎日新聞と社会調査研究センターが28日に実施した世論調査で、自民党の支持率は、24%、菅内閣の支持率は26%。その和はちょうど50で、望月さんが紹介した「青木の法則」通りで言うと菅政権は政権維持が困難な危険水域に突入していることを示しています。
 衆院山口3区は、自民党の保守分裂か、市民と野党の共闘かの選択の選挙になっています。
 山口県で、都議選以上の波乱を起こしましょう。
 選挙区、比例代表共に、「自公以外に」の流れを山口県でも作っていきましょう。
 比例代表選挙は「なにより、いのち。ぶれずに、つらぬく」日本共産党に皆さんの大きなご支援をお願いいたします。

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