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映画「大コメ騒動」

 NHKドラマ「少年寅次郎」で、井上真央さんは、寅次郎の母親役を好演しました。
 それ以来、井上真央ファンになり、先日、井上真央主演・本木克英監督の映画「大コメ騒動」を観ました。この映画での井上さん演じる松浦いとの眼力に魅了されました。
 映画のパンフレットの「イントロダクション」から概要を紹介します。
 「1918(大正7)年、第一次世界大戦に伴う好景気に沸き、大正浪漫の華やかな頃。都市には新中間層(ホワイトカラー)が生まれ、白米の消費は大きく伸び、シベリア出兵の噂も重なって、米価は天井知らずに上がり続けていた。家計を預かる女性たちが困り果てている中、富山県の貧しい漁師町で起こった『米騒動』。井戸端から社会を変えた、日本の女性が初めて起こした市民運動とも言われる出来事で、活躍したおかか=女性たちにスポットライトを当てたパワフルな作品が完成した。」
 映画のパンフレットでノンフィクション作家の高橋秀実さんは「富山の米騒動は、『女一揆』と呼ばれ、全国に波及して当時の内閣を総辞職に追い込みました。」と書いています。
 私が住む宇部市でも米騒動が起こりました。
 「『米騒動100年』 ー宇部炭鉱・山口県の米騒動の研究と教育の総合サイトー」には、宇部市での米騒動の様子を次のように書いています。
 「1918年8月18日午後8時10分、宇部警察分署に引致された仲間の釈放を求めて押し出した鉱夫らに軍隊が実包発射して13名が死亡しました。米騒動では全国で33名が死亡したと推定されますが、その4割は宇部分署前の死者です。他の米騒動の死者は多くとも4名ですから、宇部村の米騒動の死者数は全国的にも異例であり、究明が必要と考えます。今年の8月18日は発砲後103年目(2021年)にあたります。この事件の真相追究は、管理者の研究の動機でもあり、研究課題でもあります。」
 富山で米騒動が起こったのが1918年7月。1カ月後に、遠い宇部市でも米騒動が起こったのです。
 宇部市での米騒動で13名の鉱夫らが死亡したのです。
 私が、宇部市で働き始めたばかりの30年以上前に、若者座という劇団が宇部市の米騒動を題材にした演劇を上演したことがありました。
 当時私は、病院の友の会事務局の職員でした。この演劇の話を明治生まれの年配の女性の方としていましたら、彼女は「私は子どもだったが、米騒動の事は覚えている」と当時の宇部市の状況を私に話しました。
 この映画を製作した監督の本木克英監督は、しんぶん赤旗でのインタビューに次のように語っています。
 「監督になってから、ある種の使命感を持って思い続けた企画です。同県人でもある岩波ホール総支配人だった高野悦子さんに勧められたのが20年前でした。いま、格差は広がり、女性の困窮化は深まっています。この映画を機に、おかかたちが声をあげた米騒動に関心を持っていただけるとうれしいですね」
 米騒動から、約100年。100年後の今、コロナ禍で、女性の自殺が増えています。
 100年前、富山の女性たちは、「米を旅にだすな!」と訴えました。100年後の今、「米作って飯食えぬ」農家の状況が続いています。
 米騒動が全国に広がり、寺内内閣が総辞職に追い込まれたように、私たちは、今年行われる総選挙で、自助を求める菅政権を退陣に追い込み、国民の命と暮らしを守る野党連合政権を実現させましょう。

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