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半田滋さん講師にリモート学習会

 昨日、安倍9条改憲NO!全国市民アクションうべ主催のオンライン憲法学習会が開かれました。

 テーマは「憲法『改正』と自衛隊の今」。講師は、防衛ジャーナリストの半田滋さんが務めました。

 パブリックビューイング会場とオンラインで約50名の方が講演を視聴しました。

 パブリックビューイング会場の一つである宇部緑橋教会には、20名を超える方が集まりました。

 半田さんは、「急浮上した敵基地攻撃~踏み越える~専守防衛~」との副題で講演。

 半田さんは、陸上イージス断念後、自民党内で「敵基地攻撃」の議論が本格化したのは、9月11日の安倍前首相の退陣決断後の「談話」にあると指摘しました。

 安倍首相は、「談話」で「迎撃だけでは足りない。抑止力強化のために、ミサイル阻止に関する安全保障政策の新たな方針」の必要を示しました。

 半田さんは、イージス・アショアの導入決定について「電光石火で決まった導入の経過を振り返れば、『安倍一強』のもと、自民党と防衛官僚による出来レースが展開され、イージス・アショアは国防上の必要性からではなく、『導入ありき』で進んだ政治案件であった。」と指摘しました。

 河野防衛大臣(当時)は、6月15日、イージス・アショアの配備停止表明の中で「コストと時期に鑑みて、イージス・アショアの配備のプロセスを停止する」と述べました。

 一方、沖縄県での辺野古新基地建設に係り、軟弱地盤の存在が明らかになりました。

 工費は9300億円と3倍に膨張し、工期も延長されて12年もかかることを防衛省が明らかにしています。

 半田さんは、「イージス・アショアに対し、防衛省は『コストと期間』で断念した。ならば、沖縄県での辺野古新基地建設も断念すべき。しかし、政府は『辺野古移設が唯一の選択肢』との姿勢を変えていない。ダブルスタンダードであり、沖縄への差別的な姿勢と言える」と述べました。

 安倍政権は、閣議決定や法改正で、集団的自衛権行使を「できない」から「できる」へ変更してきました。

 半田さんは、敵基地攻撃の実施につて「集団的自衛権行使を進めた同じ手口で専守防衛を葬り、先制攻撃を合憲・合法化しようとしている」と指摘しました。

 イラク戦争では、米英軍は、イラク軍が保有していた約80台のミサイル発射機のうち、46台を空爆で破壊しました。

 半田さんは、この事実について「世界最強の米軍をもってしてもすべての発射機を破壊できなかった」と指摘しました。

 その上で、半田さんは、敵基地攻撃能力の保有に係る元自衛隊司令官の香田洋二さんの言葉を引用します。

 「発足以来70年間、自衛隊が全く手をつけてこなかった分野で、自衛隊の組織・文化を大きく変える内容だ。相手の領域内にある弾道ミサイルを阻止するとなると、どこに、どのような部隊がいて、どういう装備を持っているのかなどを瞬時に分析する必要があり、今の自衛隊にその能力はない。かなりの覚悟がないと実現は難しく、イージス・アショアに変わるミサイル防衛の在り方として優先順位が高い選択肢だとは思えない」

 政府は、来年度の防衛費概算要求に衛星コンステレーション活用の検討を開始する予算が含まれています。

 半田さんはこのことについて「米国主導のミサイル防衛、攻撃計画に日本が参画することを意味する」と指摘しました。

 半田さんは、敵基地攻撃能力の保有についてこう締めくくりました。

 「そもそも北朝鮮が日本に弾道ミサイルを発射する場面では、韓国および在韓米軍を多く抱える米国との間の戦争になっている可能性が高い。その戦争が安全保障関連法で定めた存立危機事態に該当すれば、日本も参戦可能となる。圧倒的な攻撃力を見せる米軍に続いて、自衛隊は保有する兵器類を総動員しての攻撃参加となるのか。その自衛隊の能力は朝鮮半島に限らず、例えば中東でも活用することができる。自民党が提言した敵基地攻撃能力の保有は、地域を選ばない攻撃能力の保有につながるのではないか」

 日本が敵基地攻撃能力を保有するということは、安保法制と相まって、アメリカの先制攻撃に日本が丸ごと参画することになることが半田さんの講演で分かりました。

 私たち市民と野党は、安保法制の廃止を求めて、5年間運動を続けてきましたが、この運動の重要性を再認識する講演でした。

 そして、野党連合政権の樹立する必要性も再認識した講演でした。

 質問の中では、山陽小野田市に建設されている自衛隊の宇宙監視レーダーに関わる問題が出されました。

 参加者は、宇宙監視レーダーの問題についても学習を深めていこうと話し合いました。

 始めてのオンライン学習会でしたが、大きなトラブルなく終えることが出来ました。

 主催団体の事務局長として参加者及び関係者の皆さんと講師の半田さんに感謝を述べたいと思います。

 

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