「原発に反対する上関町民の会」「上関原発を建てさせない祝島島民の会」「上関の自然を守る会」「原発いらん!山口ネットワーク」「原水爆禁止山口県民会議」は、昨日、村岡県知事に対し、「上関原発計画予定地の海上ボーリング調査申請の不許可を求める申し入れ」を行いました。
「上関原発計画予定地の海上ボーリング調査申請の不許可を求める申し入れ」を行う
「原発に反対する上関町民の会」の山根代表
申し入れ事項の第一は、「上関原発予定地の海上ボーリング調査に係る一般海域占用申請を不許可とすること」です。
担当者は、「この度の申請については、現在、審査中である。条例に基づき適切に審査したい。」と答えました。
申し入れ事項の第二は、「昨年のボーリング調査の際に出された一般海域占用許可に関して、以下の点について明らかにすることを要望する。1)中国電力が廃止届(中国電力は、2019年10月上旬に占用許可を申請したが、12月中旬に廃止届を県に提出した)を出すに至った要因は何か。また、その要因は、現在解消されたのか。2)一般海域占用許可を出す際に、『この専用及び工作物の設置によって損失を受ける者があるときは、許可を受けた者の負担において原状回復又は損失の補償を行うこと」と条件が付されているが、その条件が満たされたか否かを確認したのか。」です。
1)について、担当者は、「中電からは、作業スケジュールの遅れなどにより、期間内に終了できなかったことが理由だと聞いている。その問題が解消されたかどうか確認する条例の規定はない。」と答えました。
2)について、担当者は、「今般のボーリング調査で、一般海域で損失の補償を行う必要がある者がいるとは考えていない。」と答えました。
申し入れ事項の第三は「新型コロナウイルス感染症が流行しているさなか、いまだ着工の目途が立っていない原発建設に関連したボーリング調査は、これこそ不要不急のものではないか。県の見解について説明を要望する。」です。
担当者は、「ボーリング調査は、事業者の判断によって申請が行われたものである。」と答えました。
申し入れ項目の第四は、「ナメクジウオ(環境省レッドリスト2017絶滅危惧種Ⅱ類)をはじめとする希少生物の保護について、県が主体性をもって事業者に指導すること。」です。
担当者は、「中国電力の責任において保護を行うべきものだと考える。」と答えました。
原水爆禁止山口県民会議の桝本議長は、「今年4月13日の参議院行政監視委員会で、立憲民主党の江崎孝議員の質問に対し、牧原経済産業副大臣は、『原発の新増設は想定していない』という政府の考え方は変わっていないと答弁した。今、上関原発が進む可能性は、一ミリもないと言っていい。このような中で、県がボーリング調査を許可することは、理解しがたい」と指摘しました。
上関原発を建てさせない祝島島民の会の清水代表は「これまでのボーリング調査で、漁業を営む上で、損失があったことは明らか。その損失に補償がなされることは当然だ。」と指摘しました。
上関の自然を守る会の高島共同代表は「ナメクジウオが周辺海域にたくさん生息しているので大丈夫とは言えない状況である。中電に調査開始前に、十分な調査を行うよう求めるべきだ。」と指摘しました。
参加者から「コロナ禍の中で工事を進めることは認められないという質問に対する回答がなかった。」との指摘がされました。
私は、「コンビナートの定修において、茨城県は、事業者に定修を遅らせるよう要請した。今回の事案も、コロナの事を勘案せず、ただ条例に基づいて審査するというのでは不十分だ。」と指摘しました。
梶間商工労働部理事は、「別途回答したい」と答えました。
最後に、桝本議長は、「コロナへの対応の問題を含め、出された意見も踏まえ、精査した回答を文書で求める。」と質しました。
梶間理事は「後日、文書で回答する。」と答えました。
上関原発建設に向けて中国電力が、今月7日に、ボーリング調査を行うための申請を県に行い、近く、県の判断が下される見通しです。
この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
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