昨日、医療生協健文会主催の「平和フェスタ2020」が行われました。
第一部では、県内からは、長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会などが報告を行いました。
第二部では、福島県とオンライン中継されました。
「福島のいま~原発事故から9年を経た現場から~」と題して福島県いわき市浜通り医療生協・組織部の工藤史雄さんが報告しました。
医療生協健文会主催の「平和フェスタ2020」で福島の現状を報告する工藤さん(スクリーン右側)
工藤さんは、東京電力福島第一原発事故をめぐり、東電と国の責任を追及する「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟で、9月31日、仙台高裁は国と東電の責任を認め、総額約10億1000万円の損害賠償の支払いを命じた判決の意義を語りました。
工藤さんは、高裁判決で、「国は東京電力と同等の責任がある」とした点を評価しました。
この点、10月4日のしんぶん赤旗日刊紙「主張」はこう書いています。
「仙台高裁で注目されるのは、国の賠償責任の範囲を福島地裁の一審判決(17年10月)よりも拡大したことです。一審は、国の立場は『二次的・補完的』として国の賠償範囲を東電の『2分の1』に限定しましたが、仙台高裁は国と東電の責任は同等と判断しました。一審で事実上否定された『ふるさと喪失』の損害も認めました。損害額が一審の約2倍に上積みされたことは、国が賠償基準を定めた『中間指針』が被害の実態に見合っていないことを浮き彫りにしています。国と東電は、賠償のあり方を見直し、被害者の切実な訴えにこたえる必要があります。」
工藤さんは、高裁判決で「津波の襲来を予見できたのに、対策を講じなかった国の責任を断罪した」点を評価しました。
先に取り上げた「主張」は、この点をこう書いています。
「判決が重視したのは、政府の地震調査研究推進本部が2002年に公表した地震予測の『長期評価』です。長期評価に基づき速やかに試算していれば、02年末ごろには原発の敷地を超える津波の到来を予見できたと述べ、対策を怠った東電と国の姿勢を批判しました。長期評価に信頼性がない国が反論していることについて、判決は『(長期評価は)個々の学者や民間団体の一見解とはその意義において格段に異なる重要な見解』であり『相当程度に客観的かつ合理的根拠を有する科学的知見であったことは動かしがたい』と強調し、国の主張を退けました。
判決は国へ厳しい指摘が続きます。『(長期評価に関する)不誠実ともいえる東電の報告を唯々諾々と受け入れており、規制当局に期待される役割を果たさなかった』『(長期評価に基づき試算すれば)喫緊の対策を講じなければならなくなると認識しながら、そうなった場合の影響-主として東電の経済的負担-の大きさを恐れる余り、試算や試算結果が公になることを避けようとしていた』。原発という国策を推進しながら、『安全神話』に凝り固まり責任を放棄した国の不作為が未曾有の事故を招いたことは明白です。『人災』という他ありません。」
工藤さんは、今後の福島の課題として「放射性物質を含んだ処理水の扱いだ。」と語りました。
9日の福島民報は、この問題を一面トップで次のように報じています。
「東京電力福島第一原発で増え続ける放射性物質トリチウムを含んだ処理水の扱いを巡り、政府は近く処理方針を判断する方向で最終調整に入った。8日、処理方針決定に向けた第7回意見聴取会を都内で開き、全国漁業協同組合連合会(全漁連)と県水産加工工業連合会が漁業などに深刻な影響が出るとして海洋放出反対を訴えた。政府関係者によると、今回で主要関係者への聞き取りをほぼ終えたとして、政府関係省庁間の協議を経て結論を出す見通しだ。」
原発の高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定をめぐっても連日報道されている状況です。
政府は、福島原発事故を受けた対応に東電とともに全力を尽くす時です。
政府は、福島原発事故を受けて、原発の新設増設は行わず、脱原発に舵を切る時です。
福島県の医療生協の工藤さんから、直接、福島の現状を聞くことが出来て、私にとって最高のリモート学習会でした。
福島の現状を学び、「上関原発はいらない」の運動に生かしていきたいと思いました。
原発問題に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
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