しんぶん赤旗日刊紙昨年12月18日付けは、次のように報じました。
「スイスのシンクタンク世界経済フォーラム(WEF)が17日発表した2019年の各国の男女格差(ジェンダーギャップ)の報告書によると、日本は前年から順位を下げ、153カ国中121位で、過去最低となりました。安倍晋三政権が掲げる女性活躍推進が進んでいないどころか、逆に男女格差が開いている現状が浮き彫りになりました。報告書は、経済、教育、健康、政治の4分野の男女格差を数値化し、順位付け。日本は前年の149か国中110位から大きく順位を下げました。もっとも遅れが目立つのは政治分野で144位に沈んでいます。教育分野では、高等教育機関への入学割合の格差が低評価を受け、前年の65位から91位に低下。経済分野では、賃金格差の拡大が指摘されています。」
同記事に、同志社大学の岡野八代教授が次のコメントを寄せています。
「今回の順位ですが、ズルズルと後退、というより、経済的な大国とされている国の中で、日本はダントツに男女格差の厳しい国と、認識を変え方がよいでしょう。つまり、揺るぎなく、強い意志で男女不平等を維持しているのが日本の現状です。政治分野における女性の不在が、そのことを象徴しています。政治分野では、閣僚をはじめ、国会議員候補者の決定まで、強いリーダーシップがあれば改善可能です。健康や教育分野は一朝一夕で改善できないのと対照的です。」
日本BPW連合会のHPを参照すると、日本の順位(総合)は、110位から121位へ低下しています。
分野別では、政治は、125位から144位へ。経済は、117位から115位へ。教育は、65位から91位へ。健康は41位から40位へ。
民主青年新聞の新年号に、岡野教授が、「個人的なことから始めるジェンダー秩序の見直し」と題する小論を寄せています。
この中に、日本のジェンダーギャップ指数の推移を掲載しています。
この中に調査が始まった2006年の日本の数値が掲載されています。
2006年の日本の総合順位は80位、政治は83位、経済は83位、教育は60位です。
岡野教授はこの現状をこう書いています。
「日本では、1946年に公布された現在の日本国憲法の下で、法の下の平等が宣言され、その後も世界的な条約である『女性差別撤廃条約』(79年)を85年には批准し、条約に合わせて国内法を整備し、『男女雇用機会均等法』(85年)が制定され、さらに憲法上の男女共同参画社会基本法』が施行されました。さらに昨年は、女性議員があまりに少ない現状を何とかしようと、『政治分野における男女共同参画の推進に関する法律』が誕生しています。こうしてみると、男女の平等は絶え間ない努力の中でこそ実現されるということを日本政府は認識しているようです。一方で、すでに触れたように、世界的に見ても日本がこの10年全く男女格差を是正できないことも確かです。」
岡野教授は、しんぶん赤旗に次のように語っています。
「政治は市民一人ひとりの意思決定だと考えれば、市民もまたこの現状を維持しています。日本では大切なことは、男性が決めるといった考え方もやめましょう。そうではなく、私たち一人ひとりにとって大切なことが、政治から締め出されているのです。社会の中枢の女性の不在は、私たちの多様な意見が軽んじられている、そうした認識の変化を迫るのが、今年の順位でした。」
昨年の順位から、市民一人ひとりに当てはめて考えていきたいと思います。
山口県をジェンダー平等の県に近づけていきたいと決意を新たにしました。
日本のジェンダー格差順位が過去最低となりました。皆さんのご意見をお聞かせください。
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