先の臨時国会で強行された法案の一つが「漁業法の改悪」です。
山口県にどのような影響が出るのでしょうか。
9日付山口民報を紹介します。
「『磯は地付き、沖は入会い』このルールは単に伝統的なだけでなく、戦前の網本や大手資本の漁民搾取を打破し、地元の零細漁民に優先的に漁業権を付与し、民主的に漁協を運営することを通じて漁業と生業、資源を守っていく原則として浜にいい生きづいてきました。安倍『漁業法改悪』はこの根本を破壊。漁業権の地元優先を廃止し、自由に企業が取得できるように『70年ぶり』に大改悪をねらっています。」
「地元漁民優先の漁業権は、現在、県内8種249件が認定されています。現在でも企業が参入する道は開かれており、漁協を通して生産活動することができますが、安倍改悪案は漁協とは無縁に自由に活動できるよう『業況賢の地元優先』を廃止するもの。結局、地元漁民にとって一番優良な漁場が、大手資本の自由な進出で奪い取られてしまいます。」
「山口県は、日本海海区と瀬戸内海海区の二つに分かれ、それぞれ15人の海区漁業調整委員が選ばれています。現在は定数の6割(各区それぞれ9人)が漁民の直接選挙による公選、残り4割が知事選任です。ところが安倍改悪案は公選部分を全廃し、全て知事選任にするもの。実際に選挙がほとんどないから制度を廃止するというのが口実ですが、こんな逆立ちした反民主的な理屈は許されません。実際、県内では11年5月、補欠選挙が実施されました。漁期、資源保護など直接、漁民の声が反映される仕組みを壊せば、この面からも大手資本が儲かる漁種へ集中し投資し、市場変動や漁場荒廃などで利益低下と見たらサッサと引き揚げ、後は野となれ山となれで漁場・環境破壊が心配されます。県内のエビ養殖場ではすでにこうした例があります。」
「山口県の三海は日本海、響灘、瀬戸内海。3500人の漁民、50余の漁協などの会社が年160億円の水揚げ。この生業を守る本格対策こそ急務です。」
本文は、法案の強行成立前に書かれたものです。文中の「改悪案」は「改悪法」となりました。
現場にも県民にも十分知らされないままの漁業法の改悪を許すことは出来ません。
一刻も早く元の法律に戻す、それまでは、法の運用にあたっては、現場の漁民の生業を守る対応を求めることが重要だと思います。
漁業法改悪の問題に関する皆さんのご意見をお聞かせください。
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