今日(14日付)の山口民報に、私が書いた「長生炭鉱水没事故74周年犠牲者追悼集会に参加して」と題するレポートが掲載されました。
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長生炭鉱水没事故74周年犠牲者追悼集会
長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会運営委員 藤本一規
1942年2月3日朝、長生炭鉱で水没事故が起き、136名の朝鮮人労働者が亡くなりました。1992年以来、「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」は、韓国から遺族を招いて追悼式を開催してきました。74周年にあたる1月30日午前、追悼式が現場付近の追悼ひろばで行われました。私は、昨年から刻む会の運営委員となり、追悼式には運営スタッフとして参加しました。
追悼式には、韓国仏教宗団協議会から約60名の僧侶が参加されました。韓国仏教宗団協議会慈乗会長は「韓国仏教代表団は、傷ついた名誉を回復し、歴史の真実を伝えるために、そして、深い傷を完全に治すために、さらに邁進します。個人の犠牲が人類の教訓として残り(伝えられ)、二度とこのような悲劇が繰り返されないように、全ての生き物が安穏で平和な生活を享受できますように、宗教者としての責務を果たしてまいります。」と追慕の辞を述べました。
追慕の辞を述べる韓国仏教宗団協議会慈乗会長
午後から講演会がヒストリア宇部で行われました。強制労働犠牲者追悼・遺骨奉還委員会の殿平善彦共同代表が講演されました。
殿平さんは、今年9月、北海道内の朝鮮人強制労働犠牲者の遺骨115体を韓国に奉還する事業に取り組まれました。
北海道を出発した遺骨は、東京、大阪、広島を経由して、下関市の光明寺での追悼式を経て、韓国に到着。9月19日、ソウル市庁前広場で行われた葬儀には、約1000人の参拝者が集いました。115体の遺骨は玻州市ソウル市立墓地に納骨されました。
殿平さんは「私たちは政府や企業に代わって遺骨を届けたのではない。政府や企業は、むしろこの度の遺骨奉還を契機にして改めて自らの責任を自覚していただきたい。政府と企業の責任ある対応なしに遺骨問題の根本的な解決はあり得ない。」と述べました。
長生炭鉱の犠牲者の遺骨は海底に沈んだままです。政府などの責任を明らかにしつつ、遺族に遺骨を奉還する日まで粘り強く活動を続けていきたいと思いました。
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今朝の新聞赤旗日刊紙に、2012年に起きた中央自動車道・笹子トンネル天板崩落事故で、無くなった松本玲さん=当時(28歳)の両親が書かれた短歌が掲載されていました。
「ドイツ語に音響工学サックスと極めたことありし娘よ」
私も31年前に起こった犀川スキーバス連絡事故の生存者の一人として、いたたまれない想いでこの短歌を読みました。
74年前に亡くなった136名の朝鮮人労働者にも家族があり、未来がありました。
犠牲者の未来が断たれたことを嘆く遺族の想いは、万国共通です。
韓国の遺族に遺骨が奉還できるように、運営委員の一人として力を尽くしたいことを重ねて申し上げたいと思います。
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