新たな国際枠組みを話し合う国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)がきょうパリで開幕します。
温暖化の原因になる二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスを削減するための2020年以降の国際的な枠組みを決めることが目的です。
すでに日本、アメリカ、中国など150カ国以上が削減目標を提出していますが、いまのままでは地球全体の気温の上昇を産業革命前に比べ「2度未満」に抑えるという国際目標の達成は困難といわれています。
目標を定期的に見直すなど、効果的な対策の合意が求められます。
日本共産党の社会科学研究所所長の不破哲三さんが行った科学的社会主義セミナーの講演録「マルクスと友達になろう」を読んでいます。
この中で、不破さんは、「上陸した生命体が進化して、人類が誕生したのは約40万年前だと言われていますが、それ以前の動物はもちろん、人間の時代になっても、自分たちの活動で生命維持装置である地球の大気をかき乱すほどのことをやった世代は、どこにも生まれていませんでした。ところが、十六世紀に資本主義が生まれてから、様子が変わりました。」と指摘します。
不破さんは、マルクスが「資本論」第一部を公刊した1867年から2011年までに、エネルギー消費量が69倍増加し、二酸化炭素放出量は74倍に増えたことを紹介しています。
その上で、不破さんは、「資本主義が利潤第一主義で『高度成長』のあくなき追求、生産と消費の急膨張という道を進んできたことが、ついに、人類の生命維持装置である地球大気の構成を壊すほどの危機をいきおこしてしまった、ということです。」
京都会議を開いた1997年から2011年のあいだに、世界のエネルギー消費量と二酸化炭素放出量は、減少するどころか逆にどちらもほぼ1.4倍に増大したことを不破さんは紹介しています。
その上で、不破さんは、「これらの数字は、資本主義というものが、自分の経済活動を管理できない体制だということを、事実をもって示すおのです。まさに、資本主義は、自分が21世紀に生き残る資格があるかどうかを試さる最大の危機に直面しているのだ、と言わなければならないでしょう。」と結論づけています。
新たな枠組みはCOP21で合意した後、各国で批准などの手続きが必要です。今回の会合での効果的な対策の合意が不可欠です。
日本は世界で5番目の温室効果ガス排出大国として、温暖化対策の国際的責任を果たすべきです。
COP21は、「資本主義が生き残る資格があるかどうか試される」局面を迎えているのではないでしょうか。
COP21に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
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