議員日誌

後期高齢者医療制度保険証届かず

 4月から始まった後期高齢者医療制度で、保険証が加入者本人に届いていない事例が、9日現在で、6万3468件に上ることが、11日の厚生省の全国集計で明らかになりました。日本共産党山口県議団が、山口県後期高齢者医療広域連合に県内の実態を照会しました。その結果、県内で、保険証が本人に届いていない数が、1441件あることがわかりました。多い市町は、順に、下関市が300、周南市が200、山口市が199、宇部市が175、岩国市が127となっています。下関市や周南市の数に端数がないところを見ると集約途中なのではないでしょうか。この数は、県内で更に増えることが予測されます。

 保険証がない場合は原則、加入者は医療機関に掛かった際に医療費全額を窓口で負担しなければなりません。このため厚生労働省では、古い保険証があれば、原則1割負担とするよう全国の医療機関に対応を要請していますが、混乱は続くでしょう。

 後期高齢者医療制度の混乱は、これだけではありません。「主治医制度」(後期高齢者診療料)を拒む動きが医師会で広がっていることが、10日の中国新聞とトップ記事で取り上げられていました。

 なぜ、主治医制度を医師会が拒むのでしょう。後期高齢者医療制度の中に「後期高齢者診療料」という仕組みがあります。これは、慢性疾患の患者の「医学管理等、検査、画像診断、処置」を合わせて月6千円の定額制とする仕組みです。これまでの出来高払いも選択できますが、定額制が導入されたこと自体が、医療差別の導入といえます。

 私は、この問題で、宇部市医師会が3月31日に会員にあてて出された「緊急提言―後期高齢者診療料を算定しないことについて―」を見せていただきました。

 こ提は冒頭で「『後期高齢者診療料』は、医療費削減のために日本国民を年齢で差別して75歳以上の『後期高齢者』を粗診・粗療ですまし、さらには『人頭制』導入の布石とするものであると考えられます。」とこの問題の本質を指摘しています。

 そして、提言は最後に「医師のみならず各方面より厳しい批判の相次いでいる『後期高齢者医療制度』でありますが、厚生労働省のもくろみに乗らず地域医療を守っていくためには医師会全員が結束して『後期高齢者診療料』を算定しないことが必要と考えます。」と訴えています。

 国の政策に対して、医師会がこのような提言を出すことは極めて異例の出来事です。この事に、私たち政治に携わるものは敏感にならなくてはなりません。

 私は、この問題で県の担当者と懇談しました。県の担当者は、「出来高払いも選択できる」ことを強調し、この点に問題は感じていない姿勢を私に示しました。しかし、宇部市医師会の提言にありように、この診療料が設けられたこと自体が「日本国民を年齢で差別」するものだという認識は持つべきだと私は思います。

 この認識を県として国に伝えるべきです。この事を私は、今後、県に求めていきます。

 課題山積の後期高齢者医療制度は、やはり早急に廃止するしかないことを痛感する昨今です。

トラックバック

コメントはまだありません

No comments yet.

コメント

コメント公開は承認制になっています。公開までに時間がかかることがあります。
内容によっては公開されないこともあります。

メールアドレスなどの個人情報は、お問い合せへの返信や、臨時のお知らせ・ご案内などにのみ使用いたします。また、ご意見・ご相談の内容は、HPや宣伝物において匿名でご紹介することがあります。あらかじめご了承ください。