議員日誌

原発新増設を問う

 中国新聞に「原発新増設を問う」というシリーズが掲載されています。

 シリーズの冒頭にこう書かれてあります。

 「国のエネルギー政策の指針となるエネルギー基本計画の見直し議論が進んでいる。安倍政権の下、原発の再稼働が相次ぎ、今後は原発の新増設や建て替えをどうするかが論点に浮上しつつある。議論の行方は、中国電力上関原発(山口県上関町)の新設計画を左右する。」

 九州大学の吉岡斉教授は、上関原発について。「(ほぼ完成している)島根原発3号機(松江市)もあり、電力の供給力には困っていない。電力需要も減っており、なぜ造るのか理由が見えない。計画中の原発の中では最も新設の実現可能性があると政府は考えており、中電はそれに協力しているのではないか。」と述べ、原発の新増設について「日本では経済産業省を中心に電力業界を抱え込み、自治体やメーカーを取り込んで結束の強い共同体ができてきた。今は崩壊を防ぐために必死だ。政府はあらゆる保護、介護をし、共同体をまもるという立場に立っているように思える。原発で、皆が損をしている。東京電力も東芝も一面では『原発リスクの被害者』と言える。原発のデメリットに気付いたからには、やるしかない。」と述べています。

 龍谷大学の大島堅一教授は、上関原発について「どんな原発を造ろうとしているのか。原子力規制委員会が新規立地に、世界レベルの高い安全性をどこまで求めるかにかかっている。他の国が規制強化を強める中『日本はこれでいいんですよ』と低い性能のままでは国民に説明できない。新増設は、特別な国の補助などがない限り、民間企業にはコストが高すぎて無理ではないか。中電は他の電力会社と比べて原子力への依存度が低い。原発をやめやすい体質のはずだ。」と述べ、原発政策について「原発への支援をやめるべきだ。福島は原発事故の危険性を改めて示した。元気のために、地域を失うリスクを国民が負うべきではない。」と述べています。

 環境経済研究所の上岡直見代表は、上関原発について「上関原発は人口の多い周南、岩国市に近い。広島市にも80キロ圏。大きな事故が起きれば、交通渋滞が起きて人々は動けなくなる。放射性物質が広がってきたら大変なことになる。住民が避難すれば製造やサービス、農林水産など一帯の産業が成り立たなくなる。周南市の工業地帯は避難区域になり、コンビナートでプラントを運転する人がいなくなる。日本経済に大きなマイナスになる。避難した人を受け入れる計画作りも重要で、広域連携が必要になる。」と述べ、原発政策について「避難計画の策定は国が主導し、電力会社も責任を持って関わるべきだ。原発の新増設を議論する前に、国は避難計画や事故時の補償に関する法制度をきちんと整備することが必要だ。」と述べています。

 私は、これら識者の意見に耳を傾け、政府は、国のエネルギー基本計画の中に原発の新増設を書き込むべきではないと感じています。

 上関原発について、皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

 

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